【ギアのメンテナンス】ウェアを洗うのは難しいんでしょ?洗濯機で簡単なんですよ

スキー、スノーボードのウェアを家庭で洗えること知っていますか?難しいと思う方も多いと思いますが、実はとても簡単です。洗濯機と洗濯用中性洗剤があればできます。
特に、Gore-Tex素材のウェアは洗っていいんですかという質問を多く耳にしますが、むしろ洗ってください。
ウェアの洗い方についてご説明します。

なぜ洗った方がいいの?

▲春夏のウェア

Gore-Texのウェアを洗った方がいいのはなぜか?それは、Gore-Texという素材に理由があります。

Gore-Texは濡れずに蒸れにくいという特徴をもった素材です。実はGore-Texの表面は目に見えないサイズの穴が無数に空いています。その穴は、水を通さずに内部からの水蒸気を通すという特徴があります。

ウェアを洗わずにずっと使い続けていると、目に見えない穴が皮脂などの汚れで塞がってしまいます。塞がってしまうと、水蒸気を通すことができなくなり蒸れるウェアになってしまうからです。

たまに洗った方がいい理由は、目に見えない穴の汚れを落とすことでGore-Tex本来の性能を維持してあげるためなんです。

洗う前の準備

▲シーズン使ったジャケット

洗う前にポケットの中身を全て出しましょう。使い終わったリフト券が入っていませんか?お金が入っていませんか?一緒に洗濯したら大変なことになりますからね。

ポケットの中を確認し終わったら、ジッパーを全て閉じましょう。

▲シーズン使ったパンツ

パンツの方もジャケット同様にポケットの中を確認しておきましょう。意外と忘れていたものが入っているものです。リップクリームが出てくることはあるあるですよね。

▲ビブは外しておきましょう

パンツについているビブは外しておきましょう。また、ジャケットについているパウダーガードも同様に外して起きます。

これらについては、通常の洗濯で十分なので今回は割愛いたします。

▲タグに書いている洗濯表記

ウェアの洗濯表示を真面目に見る機会はなかなかないと思います。実はここにしっかりと洗い方が書かれているんですね。簡単にまとめると

・洗濯機は弱モードに設定してください

・洗濯用の液体中性洗剤を使ってください

・乾燥機を使ってください

などと書かれています。ということで、この注意点に従いながら進めていきましょう。

さっと手洗いからしよう

▲風呂の残り湯などで手洗い

まずはさっと手洗いで軽めに汚れを落としましょう。春スキーなどで使ったウェアは表面に泥汚れや、葉っぱのかすなど付着しています。流せる汚れやゴミを落としてから洗濯機に入れた方が、洗濯機にも優しいですね。

▲気になる汚れは事前にもみ洗い

気になる汚れは事前に手でもみ洗いをしておきましょう。ジャケットで気になるのは、ザックの腰ベルトが当たって黒くなる部分です。
その場所に、洗濯用中性洗剤をかけてもみ洗いします。

気になる汚れが落ちたらすすいでから洗濯機に入れる準備に移りましょう。

洗濯機に入れよう

▲洗濯機に入れる時はネットに入れて

洗濯機に入れる時は、表面を保護するためにネットに入れましょう。ウェアが畳んで入るほどの大きめの洗濯ネットを用意しておく必要がありますね。

▲洗濯モードは弱

洗濯モードは弱に設定しましょう。おしゃれ着洗いモードなどで対応できると思います。

ここで大事な設定がもうひとつ。脱水時間はなしにしましょう。
ウェアに脱水は意味がないことは容易に想像ができますが、もうひとつ理由があるんです。先に説明した、Gore-Texの目に見えない穴は脱水に弱いんです。

洗濯機の脱水は洗濯槽が高速に回転することで生まれる遠心力で強力に水を出してあげますが、その強力な遠心力で水がGore-Texの穴を抜けると、目に見えませんが傷んでしまいます。防水性を維持したくて洗濯するのに、逆にダメージを加えてしまうことになるので、脱水はなしで設定しましょう。

洗濯機によっては、すすぎ中に脱水のような動作になりますが、短時間であれば大丈夫だと言われています。

また、すすぎ時間は通常モードよりは長い方がおすすめです。洗剤成分がウェアに残っていても性能低下につながるので、しっかりとすすいであげた方がいいですね。

▲あとはスタート

洗濯モードを設定したら、必要な分の洗濯用中性洗剤を入れてスタートしましょう。

陰干しからの乾燥機に入れよう

▲陰干ししよう

洗濯が終わったら、びしょ濡れの状態で陰干ししましょう。直接太陽に当てて乾かすのではなく、風通しのいい場所で水気を飛ばします。

もともと外で使うものなので、絶対に日光はダメというわけではありません。ただ、濡れた状態で日光に当たるとGore-Tex表面が傷みやすいです。できれば、陰干しの方がいいですね。

▲乾燥機へ

陰干しで水気がなくなったら、乾燥機に入れます。乾燥機に入れる理由は、乾かしてあげることではありません。

Gore-Texの表面には、目に見えない穴以外に撥水性を高めるための見えない突起があります。熱を加えることで、その突起を起き上がらせる意味があります。

新品のウェアは水を弾くのに、使い込むと弾かなくなるのは突起が寝てしまうからなんですね。熱をかけると起き上がって撥水性が復活します。もっとも簡単な方法が乾燥機ですが、アイロンを使ってもOKです。

直接アイロンを当てると温度が高すぎるので、当て布をしながら熱を加えるといいでしょう。

▲次のシーズンまで大事に保管

乾燥機が終わったらお手入れ終了です。このまま次のシーズンまで大事に保管しましょうね。

まとめ

シーズンが終わってからのお手入れは面倒と感じる人も多いと思います。でも、ウェアの洗濯は意外と簡単なものです。

・ネットに入れて洗濯機へ

・陰干ししてからできれば乾燥機orアイロン

たったこれだけで、ウェアの性能を維持することができてお気に入りのウェアを長く着続けられます。ザックの洗い方と一緒に実践してみてください。

【ギアのメンテナンス】ザックの洗い方