6月の八甲田登山と花たち

6月の八甲田は雪解けまもなくですが、たくさんの春の花々を見るのに最適な季節です。
ロープウェイを使うこのコースは登り少なめでのんびり歩いて5〜6時間ほどのコースです。
ロープウェイ〜赤倉岳〜井戸岳〜大岳避難小屋〜毛無岱〜酸ヶ湯

ロープウェイに乗って田茂萢岳へ

▲八甲田ロープウェイに乗って出発

雪が溶けて春の花咲く八甲田の登山情報です。登山道の状態とお花の様子をお届けします。

まずはロープウェイ乗って出かけましょう。

▲田茂萢湿原の展望デッキから見える景色

6月になるとだいぶ雪が溶けて登山道は歩きやすくなっています。
ロープウェイがかかる田茂萢岳山頂はゴードラインと呼ばれる自然遊歩道が整備されており、安心して歩けます。

▲日陰で見つけたヒメイチゲ

ゴードラインに敷かれている木道付近でも高山植物を見ることができます。
日陰でそっと咲いていたのはヒメイチゲです。

赤倉岳〜井戸岳の稜線

▲赤倉岳〜井戸岳の稜線

田茂萢岳を後にして登山道を進むと、赤倉岳へ登る登山道へと続きます。
一気に稜線までほぼ直登なので、急勾配です。
ゆっくりと無理のないペースで登りましょう。

稜線まで来ると圧巻の景色が広がります。

▲振り返ると田茂萢岳

稜線から登ってきた方向を振り返ると、田茂萢岳が一望できます。
小さく見える屋根はロープウェイ山頂駅ですね。

▲稜線に咲くミネズオウ

この稜線は景色を楽しむだけではなく、たくさんの高山植物も見られます。
遠い景色だけでなく、足元に目を向けると小さな花のミネズオウが咲いています。

▲満開のミヤマキンバイ

登山道の近くで満開のミヤマキンバイが見られます。さらに、その向こうには春を迎えた高田大岳と雛岳の姿があります。

▲井戸岳の爆裂火口

井戸岳に差し掛かると、登山道は爆裂火口の縁に沿って続きます。
天気がいい日はとても気持ちいい登山道ですが、この場所は普段とても風が強い場所です。
天候を見極めて歩く必要があります。

▲大岳登山を覆う雪渓

6月ごろの大岳登山はまだ雪に覆われていることが多いです。
登山道がわかりづらく、雪渓の始点と終点がどこなのかしっかりと見極めましょう。
アイゼンが必要なほどではないので、キックステップで歩いてください。

毛無岱へ向けて下山

▲大岳避難小屋

大岳と井戸岳の鞍部にある大岳避難小屋です。
しっかりとした建物なので、天候があまりよくない時は小屋の中で休憩をとることができます。
写真は2016年の写真ですが、2019年に修理工事が行われ少しだけ綺麗になりました。

▲イワナシの花

大岳避難小屋から毛無岱にむけて降る登山道にも高山植物がたくさんあり、春の花たちに出会えます。
イワナシの花が群落で見られるポイントです。

▲ぬかるみがひどい場所あり

雪解け最中の季節は登山道にはぬかるみが多数存在しています。
普段からぬかるみが多めの八甲田なので、足元の泥対策は必須です。
レッグゲイターお持ちの方はぜひ使ってください。

春の花咲く毛無岱

▲満開のチングルマ

毛無岱まで降りてくると、春の花々が雪解けを待っていたかのようにたくさん咲き誇っています。
特に6月はチングルマの季節です。
毛無岱一面に咲くチングルマは圧巻です。

▲イワイチョウとウラジロヨウラク

毛無岱をどんどん降りていくと、チングルマとは別な花に出会いました。
手前の白い花がイワイチョウ、奥のピンク色の花はウラジロヨウラクです。
ウラジロヨウラクはまだこれからですが、イワイチョウは見頃ですね。
レースのひらひらのような花びらがとても可愛らしい花です。

▲ワタスゲもいい感じ

下毛無岱から歩いてきた道を振り返るこのポイントが実はおすすめスポットの一つです。
歩いてきた八甲田の山々と上毛無岱の段差、そして下毛無岱の花々が見られます。
ワタスゲの白い果穂が風に揺れていますね。

▲ゴールの酸ヶ湯温泉が見えてきた

下毛無岱から歩いておよそ45分で最後の下り坂、通称湯坂まで来れます。
ここまで来ると、ゴールはすぐそこです。

酸ヶ湯温泉の屋根が見えてきました。
この湯坂は最後にしてなかなか急な斜面なので、気をつけて行きましょう。

▲無事ゴール

酸ヶ湯温泉の入り口まで降りてきました。
湯坂は疲れた体にこたえるのでここまで来て、やっとホットできます。

まとめ

のんびり歩いておよそ6時間の工程です。
春の花々をたくさん見られる6月は気候もよく登山におすすめの季節です。

ロープウェイを使うことで、上りを少なく設定できるので登山のコース設定にぜひ検討ください。